情熱的な3つ星シェフであり、おもてなし役

『それが何であれ情熱をもたずにするのであれば、むしろしなければいい』はChristian Bauの座標の銘です。彼は典型的な『全か無か』のタイプの人物なのです。ドイツで3つ星 を冠する料理人の中で最年少の彼は、若干34歳の時に自身が料理長とホストを兼任するメゾン、Victor’s Fine Dining by Christian Bauに3つ目のミシュランの星をもたらし、その栄
光を今日まで13年間、一回たりとも絶やしていないのです。

。その間生粋の3つ星料理人である彼自身が厨房で料理をしなかった日というのは、片手で数えられるほどしかありません。彼の長い料理人キャリアをしてでもなお、彼は心底『厨房に立つことが常に楽しくてたまらない』と話します。彼の作り上げる料理の世界で人々を幸せな気分にすること、それだけがの天職なのです。3つ星シェフに留まらず、彼はまた天性のおもてなし役なのです。

3つ星シェフの原動力

高精度-『人は細かなディテールへの愛情無しには大成できない』

『私をよく知る人たちは、私のことを様々な局面においてね。ひどくまっすぐな人間だと言うね。』3つ星シェフChristian Bauにとって、厨房の内外を問わず、完璧、正確、そして鍛錬というものは彼の料理人としての礎の築いています。彼が調理する素材の鮮度や品質は、それより優れるものがないほどです。例えば、彼の求める鮮度に満たない魚があったとすれば、その夜のディナーのメニューは根本的に練り直しとなるのです。彼の繰り出す一皿には最高級の物だけが、必ず一度は彼の手を通ってお客様のもとへ運ばれてゆかなければならないのです。

才能-『最高の料理人に必要なものは、まず才能を認識すること。そしてそれをさらに高
めようと努めること』

全ての分野でもいえることですが、料理の世界にも天性のものを持ち合わせている人はい ます。Christian Bau)によれば、メニューの構成やつながりといったものに対する感覚、創造性、そして職人的な制御性といった才能はまず認識され、そしてさらに向上していか なければなりません。この3つ星シェフはその修行時代を通じてHarald Wohlfahtなどとい った料理人達のもとに、厳格な、時に厳しすぎるほどの指導を受ける機会に恵まれました。現在では彼自身もまた厨房の総名代として、チームの鑑として腕を振るっています。

革新-『古典をベースに現代を創造』

Christian Bauはモダンな料理の創作のなかに、古典や伝統への畏怖を決して忘れることは ありません。彼は常に新たな技術をためらうことなく採用していますが、料理の世界にお ける一過性の流行については、過去もこれからも左右されることはないと断言できるでし ょう。イノベーションの素晴らしさというのは、しっかりとした意義がある場合には有用 ですが、目立つことだけを目的としたただの安っぽいショーにとどまるのであれば、的外 れも甚だしいのです。

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『汗を流さずして大成せず』

だいぶ古風な考え方ではありますが、同時に多くのケースに当てはまる考えではないでしょうか。分野を問わず、挑戦的な役割を務め絶対的な努力を惜しんでは頂点に上り詰めることは不可能だとChristian Bauは考えます。すべてのことにおいて原動力は不可欠なので す。彼の場合それにあたるのが、食べる人々を幸せな気分にしたいという不変の願いなの です。

原点に立ち返ること-3つ星シェフとその原点

おそらく多くの人たちがChristian Bauの完璧への止むなき追及や待望がどこから来るのか と疑問に思うことでしょう。Christian Bauは幼少期にすでに、自分は料理人になるために 生まれてきたと確信していました。14歳時分、あるメゾンで研修を受けた際には、他の16 人の見習い生たちとともに、あたかも大家族になったような温かい感覚を受けました。若 干16歳で親元を離れ、自立したひとりの大人としてレストランでの下積みを始めたころに は、すでにこの世界こそが彼の生きるべき世界であることを確信し、料理の世界そのもの の存在は、やがて彼の新しい家族となったのです。

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BauStyleへの道のり

伝説の料理人Harald Wohlfahtのもとでの修習経験はChristian Bauの後のスタイルに少なか らず影響を及ぼしました。この完璧で古典的なフランス料理はVictor’s Fine Dining by Christian Bauでも同様に活かされましたが、この3つ星シェフはどこか満足できない部分を 否定できずにいました。このスタイルは自分のものとは何か違う、具体的に何かはわから ないまま、しかしそこにいまひとつ自己を見いだせない自分がいると考えるようになって いったのです。Harald Wohlfahtの右腕としてChristian Bauは各国を旅しましたが、1994年 に訪れたタイの首都バンコクでアジア料理への傾倒を強く意識し、それによって今日の3 つ星シェフはそれまで自分が探していた何かをを見つけたのでした。

 

しかしその後2007年になってようやくChristian Bauは彼独自の料理の哲学を模索・発見し、多くのレストラン研究家達の懐疑的な視線をよそに、高級フランス料理の世界に和食の エッセンスを取り入れる先駆者となるのです。さらに2010年1月に日本を訪問したことが 、彼の料理スタイルの移行を確固たるものにしました。それを受け、美食ライターである Jürgen Dollaseは、彼のグルメ雑誌であ 『F.A.Z.-Gourmetvision』のコンテストの為に、 和食を取り入れたフランス料理のコースメニューを用意することをChristian Bauに勧めた のでした。この企画は審査した参加者のほとんどが従来のクラシカルなメニューよりもこ の新しい試みを支持するという大成功を収め、ザールブリュッケン近郊の3つ星シェフは ここでもまた重要な金字塔を打ち立てたのでした。

 

従来のフランス料理の伝統からの脱却は、ある種の束縛からの解放に近いものでした。こ うしてChristian Bauは現在も、一皿の上に様々な新しい要素をバランスよく統合させるこ とを表現し続けています。Christian Bauは『私はようやくしかるべきところにたどり着い たよ。そこで私の中心となるもの、私の料理人としての刻印を見つけることが出来たんだ。』

 

Christian Bauは調理法のみならず、彼の独自のスタイルも見い出しました。ジーンズとス ニーカー姿に調理服をまとった彼が創作中の厨房の外、店内にはくだけた音楽が流れてい ます。申し分のない食事というものは、白いテーブルクロスなしでも上品なさりげなさに よってなしうることを、彼は立証したのです。

わずか7年間で3つ星シェフに

Christian Bauは従来の修習期間の後、ついに偉大な師となるHarald Wohlfahtに出会います。現在の3つ星シェフは1998年からグルメレストランVictor’s Fine Dining by Christian Bau の料理長兼ホストを務めています。このメゾンを成功に導くという彼の任務がすでに達成 されていることは疑いなく、その才能は多くの讃賞を受けています。1つ目の星はわずか7 か月で、翌1999年には2つ目、そして2005年にはいよいよ3つ目の星がミシュランガイド によってChristian BauとYildiz Bauのメゾンに与えられ、それによって彼はわずか34歳に してザールブリュッケン周辺のドイツ最年少の3つ星シェフとなったのです。

略歴

  • 1971年1月14日 Offenburg(オッフェンブルク)生まれ

  • 1987年-1990年 Achernのホテル『Götz Sonne Eintracht』にて修行

  • 1990年-1991年 Sasbachwaldenのホテルレストラン『Talmühle』

  • 1991年-1992年 Achernにて国務(兵役)

  • 1992年-1993年 Offenburgのレストラン『Le Canard』

  • 1993年-1998年 Traube Tonbachホテルレストラン『Schwarzwaldstube』
  • 1998年 Perl-Nennig『Victor´s Gourmet-Restaurant Schloss Berg』料理長
  • 現在『Victor’s Fine Dining by Christian Bau』